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年寄りの白血病ブログ

食道がんの事②

食道がんの進行度
食道がんと一口に言っても、
全く再発せず完治する早期食道がんから
再発率の高い進行食道がんまで色々です。
治療にあたっては、まず食道がんの進行度を
各種検査によって治療方針が変わってきます。


がんの進行度を決める為に必要な情報として
がんの壁深達度(がんが食道のどの位の深さまで進んでいるか)
転移度(がんが出来ている部位から他の部位に飛び火していないか)
が必要になります。


他の消化器のがんと違い、食道がんの特徴として
どの部位(占拠部位)に出来ても、食道全体に転移する事が特徴の為
頸部から腹部までの全域(3領域)を入念に調べなくてはいけません。


進行度を調べるための検査
血液検査 腫瘍マーカー(癌によって産生された血液中に放出されるもの)
 代用的なものに、SCC・CEA・シフラ等があります。
CT(頸部・胸部・腹部)検査 
 食道周囲の臓器(肺・大動脈・器官・心臓)への進行(浸潤)
 転移状況がわかる。
上部消化管内視鏡検査
 食道がんの形態・壁深達度・胃の状況がわかる。
食道透視
食道がんの形態・壁深達度・胃の状況がわかる。


*③と④を総合して最終的な壁深達度が決定されるので、両者とも必要になります。
*特に早期食道がんは内視鏡でしか診断出来ないと言っても過言ではありません。


食道超音波検査
 食道周囲のリンパ節の状況がわかります。
頸部超音波検査
 頸部の小さなリンパ節転移がわかります。
MRI(胸部・腹部)検査
 がんが食道壁を越えて周囲臓器まで進行しているかわかります。
気管支内視鏡検査
 がんが気管に接している場合に、器官への浸潤状況をみる必要があります。
PET検査(陽電子放射線断層撮影装置)
 広い範囲を診る検査です。
がん細胞が正常細胞より数倍のブドウ糖を摂取するのを利用して
身体の中で異常にブドウ糖が集まっている場所を探す検査ですが
がん以外でも集まる事が有り、絶対的なものではありません。
むしろ治療後の再発部位を探すのに有効です。


*これらの検査を駆使しても、リンパ節転移の状況が把握出来るのは
 70%程度です。


以上の検査を必要に応じて行い、がんの進行度を予想しますが
手術が出来るかどうかの評価には
さらに以下の検査を行って、全身麻酔が可能か?長時間の手術に耐えられるか?
どうかにつき評価しなくてはなりません。


(1)呼吸機能検査 胸の手術の際、片方の肺(左)だけで呼吸をさせるため。
(2)腎機能検査
(3)心機能検査 心電図・心エコー検査


以上の検査が必要になります。
全身の状態によっては、積極的な治療が不可能な場合も有りうると言う事です。

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